【親に本音が言えない・子供の本音が聞けない理由】映像世代と活字世代でこんなに違う3つのこと。
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この話は、家庭環境に留まる話ではない。
以前、大学3年生の男の子から、こんな相談を受けたことがあります。
「自分これから就活なんですけど、本当は自分の実力を試したいし、社会にも良いことがしたいから、起業とかベンチャー企業に行きたいんですよね。
だけど、親からは「大企業に行け。公務員になれ」そうやって言われ続けられて(育ち)ました。
だからせっかく良い大学に入ったんだから、その道がいいんだとは思うんだけど、自分の中ではしっくりこないんです。
こういう時、どうすればいいんですか?」
こういった相談、あなたならどう答えようと思いますか?
「今のご時世から見れば大企業や公務員の方が、そりゃあいいと思うよ。」とアドバイスをしますか?
それとも「あなたの好きなコトをやればいい!起業するでも、何でもやった方がいいよ!」とアドバイスをしますか?
“行動”を起こす前に、考えて欲しいコトがある。
例えば、起業すると言って就活をしなかったとします。親は悲しむとは思いませんか?これを読んでいるお母さんも就活した方がいいじゃない?と思うはずです。
え、じゃあ就活しろってコト?いやいや、そういう話ではないんです。新社会人になる、あなたが考えて欲しいコトは「親が、どうしてそう言うか?」の背景です。
逆にお母さんが考えて欲しいコトは「子供が、どうしてそう言うか?」の背景です。
1.今の新社会人は、バブル崩壊後に産まれている事実。かたやお母さん世代は、第二次高度経済成長期に産まれた。
お母さんと息子さん、ちょっと想像してみてください。
経済ニュースはいつも会社の倒産やらリストラ・先行き不安と流れる幼少時代を過ごした子供と、経済ニュースはいつも右肩上がりで、白黒テレビがカラーテレビになり、エアコンがつき始めた幼少時代を過ごした子供。
どっちを過ごした子供の方が、「未来が明るい」と思いやすいでしょうか?
お母さん、この背景があるから「自分で何かしよう」「会社に入っても大丈夫か心配だ」と息子さんが思うことを、分かってくださいますでしょうか?
息子さん、この背景があるから「会社に入れば安泰・公務員になれ」とお母さんは思うことを、分かってくださいますでしょうか?
2.お子さんは、3歳で、世界中の情報を1台のパソコンで見れる力を手に入れてしまった。
若者の世代は、“映像世代”と言われます。情報を映像で取るんです。それは何が一番の理由かと言うと、やはりインターネットです。
window95が発売された時、彼らは3歳です。世界中の情報を1台のパソコンで見ることが出来rるようになってしまいました。
また、巨大掲示板の2ちゃんねるなどが出来たことで、仕事の愚痴を言っている大人の書き込みが、その掲示板の中にあります。お子さんも、小学生や中学生の時に覗いているはずです。
かたやお母さん世代は、小さい頃に新聞を広げて読んでるなんて子供は、奇怪で変な子だったと思います。
また、いわゆる“オトナ”の事情を知る方法なんて、お父さんやお母さん、近所のお兄さんくらいだったのではないでしょうか?
社会人になってからも、パソコンなんてありませんから、「背中を見て、上司や先輩に聞いて教わる」というコトが当たり前です。
だから、「質問することが怖い」なんて言う若者に対して、何を甘ったれたことを!と、怒ってしまうんですよね。そんなコトしていたら仕事になりませんからね。
新社会人のあなた、どうして上司が「甘ったれるな!」と言うか、お分かり頂けましたでしょうか?
さてお母さん、映像世代のお子さんは、自分の分からないことに対して誰が教えてくれたと思いますか?
ご名答です。パソコンなんですよね。度が過ぎる発言かもしれませんが、人間に質問するよりもパソコンに質問している回数の方が多いはずです。
だから、人間に対してどうやって質問すればいいか、分からない。ギャグのような本当の話なんです。実際に自分もそうでした。
お子さんが、どうして「あなた何考えてるの?」と聞いても「別に」と言うか理解いただけましたでしょうか?
3.公務員でもベンチャーでも、道は何でもいいと思う。
先ほどの大学生の話に戻りますが、僕がまず伝えたのは、先ほどのような背景でした。
その上で、自分が伝えたいことを親に手紙として書いて、本音をやり取りさせるようなコトをさせました。
それから先の道については言及しませんが、問題は「お母さんが認めてくれるのか?」という不安があったことだったと彼自身が気付きました。
彼が自分で決めたことに対して、しっかりと責任を持つことが出来れば、例えその選択で壁にぶつかったとしても、自分で決めた選択に舵を取って試行錯誤していきます。
逆に、親の言うことに自分が折れてしまい、何となくで日々を過ごしてしまっていたら、いつか自分で自分の人生を歩んでいない!と攻撃的になることもあり得ます。
そのカタチが「うつ」「引きこもり」「ニート」という結果という風に見ることも1つあり得ます。
アイディアが求められる時代だからこそ、我慢を強いるのは可能性を潰してしまう。
お母さん世代が残してくださった功績は、本当にありがたく、だからこそお子さんが、こうやって高度な悩みを持つことが出来ていると思っています。
高度経済成長の時は、自分の心なんて見る余裕がなかったとある40代の男性に言われたことがあります。そんな時を経て、今がつながっていることに感謝です。
しかし、今は心の時代と言われている上、先行きが見えず同じものを同じように作るよりも、アイディアが求められる世の中です。
親子共々、お互いがお互いの背景を理解し合いながら、親のためでも、子供のためでもない、自分らしい人生を、力強く歩めるようになって欲しいと、思っています。
新社会人のあなた、「親に本音が言えない」と悩んでいるということは、お母さんも同じように悩んでいるはず。お母さん、逆もしかりです。まずはそのことを自覚するところから、始めましょう。
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